韓国ゾンビ映画 「新感染(2016)」 を視聴したら、フレッシュな気持ちが大爆発したお話(微ネタバレ)

 なぜか目が覚めてしまって寝れなくなってしまった今朝の5時、布団から出るのにはまだ勇気のいる時間だしな〜、でもせっかくなら何かしたいな〜みたいな贅沢な葛藤をしていると、マジにふと、ふと、ゾンビ映画が観たくなって(なんで) そんな軽いノリで観た2016年の韓国ゾンビ映画新感染 ファイナル・エクスプレス」が "超ド級" なヒューマンアクション映画で、映画に対しても、韓国に対しても(?)、色々と思うところがあったので、2021年のはてなブログ始めはコイツに頑張ってもらいます〜!

 

 あらすじはこんな感じ(Filmarksから全抜粋) 

" -ソウル発プサン行きの高速鉄道KTXで突如起こったなぞの感染爆発。疾走する密室と化した列車内で凶暴化する感染者たち--そんな列車に乗り合わせたのは、妻のもとへ向かう父と幼い娘、出産間近の妻とその夫、そして高校生の恋人同士・・・果たして彼らは安全な終着駅にたどり着くことができるのか--?目的地まではあと2時間、時速300km、絶体絶命のサバイバル。愛するものを守るため、決死の闘いが今はじまる!- " 

 

 まずは映画本編のお話から!いや〜マジに大迫力だった〜。。特にカメラワークとアクションが凄まじかったです(映画館で観たかった)

ゾンビ自身にGoProを持たせて走らせるカメラワークも迫力満点だったし、カメラ自体もゾンビ・人間側の転倒に合わせて360度回転したり、こんなバチバチなアクション映画が2016年に公開されていたなんて、、

俺たちの(世界の)スーパーヒーロー・クリヘムことクリス・ヘムズワースが主演を務めて昨年話題になったアクション映画 「 タイラー・レイク-命の奪還- 」内でもクリヘムの転倒に合わせて回る360度のカメラワークや、一人称視点のカメラワークがあってそれに近いものを感じました〜!そんなゴリッゴリのアクション映画にも引けを取らない「 新感染 」のアクションシーンマジですげえ。。

メインの舞台になる高速鉄道KTXは、何十号車もあるような長〜い新幹線のような乗り物で、当然ある駅から出発してしまうと次の駅までは、原則停車することが出来ません。

なんと残酷なことに、出発間際のKTXにひとりの感染者と思わしき女性が、滑り込みで乗車してしまいます(終わった)

そこからは完全にバイオハザード状態、破竹の勢いで増えづつけるゾンビたちin KTXがどんどん新しい友達を作りはじめて、割と早い段階にKTX内はゾンビにジャックされてしまうのです。。(ワールドエンド) 

・・・

そんなこんな(マジでそんなこんな)で何とか次の停車駅にたどり着いた生き残りの人間サイドは、駅内からの脱出を試みるのですが、線路内に入ってきて全力で追ってくるゾンビたち(電車が遅延するのでやめて頂きたい)や、鎮圧をするために駅内に派遣され、丸々ウイルスに感染してしまった軍隊ゾンビたちにメッタメタにされてしまいます。

なんとも悲しいことに 「 新感染 」に登場するゾンビーズは走れるタイプのゾンビなんです。ここの走れるゾンビ or 走れないゾンビ問題は結構大きくて、「 学園黙示録ハイスクール・オブ・ザ・デッド(2010)」というアニメ内に登場するゾンビたちは、" 歩き縛り " オンリーのまだ可愛いゾンビたちでした。それに加えて視力も衰えていたので、急にヒステリックを起こしたりしなければ最悪 「ゾンビとゾンビの間をバレずにどっちが長い距離歩けるか挑戦してみた! 」 みたいな体を張るYouTuberがゾンビ企画を打ってもおかしくない、そんな緩い世界線のゾンビアニメでした。

ですが現実はそう甘くありません。「 新感染 」に登場するゾンビたちは視力がバチバチに冴えていて、短距離選手のように全力でスプリントし、なおかつプロマラソン選手顔負けの無尽蔵なスタミナを全員が保持しているため、ちょっとコンビニに行ってくる〜(^O^) みたいなノリで外に出ようものなら、3秒後にはその人もめでたくゾンビーズの一員になってしまうのです(血も涙もない)

 

でもね、正直そんなのはどうだっていいんだよ!!!、、ここまでは序章も序章、前戯にも満たない前戯(以下略)ということで、この映画の化けの皮を剥がしていきたいと思います。

なんか1年前のちょうど今頃、中国の武漢市でコロナウイルスが発見されてすぐにロックダウンされた時、メイク動画(?)か何かの企画の皮を被って、武漢市の内情を世界にリーク配信してくれた(うろ覚え)方みたいに、この映画「 新感染 」のヤロウは、ゾンビ映画の体裁をしたタダの社会派ヒューマン映画だったのです(最高)

 

コロナウイルスもそうだけど、蓋を開けてみると本当に怖いのはウイルス自体じゃなくて人間でした〜 みたいな1年間を誰もが感じた・感じているこの頃だと思いますが、まさにその縮図が「 新感染 」内の高速鉄道KTX

その中でも特に印象に残っているシーンが2つあります。

1つ目のシーンは、冒頭、まだKTX内がソンビアイランドになる前の乗客搭乗シーンでした。

あらすじの通り様々な客層が搭乗している中、ひとりの無精髭を生やした中年の男性がトイレで「 みんな死んだ、みんな死ぬ 」と自暴自棄になっているシーンです。その光景を唖然と見ている小さな女の子に、バス会社に勤めているという中年の男性が「 勉強をしとけ ああなるぞ  」  女の子 「 ママが そんなこと言うのは悪い人だって」 男性 「 ママは勉強しなかった 」 と語った場面。

" 超 "学歴社会といわれる韓国のお国柄を嫌な意味で感じました(しかもゾンビ映画で) でもね、まだまだこんなのは「こっから2人で抜け出しちゃおっか」って合コンでいい感じの子に唆された段階なんです。

2つ目の印象的だったシーンもそのバス会社の中年男性が絡んでくるシーンで、物語も終盤に差し掛かった所です。

1度駅でゾンビパラダイスにメチャクチャにされた後、泣く泣くKTXに再搭乗する人間サイド、しかしゾンビたちの奇襲にあってしまい、KTX(そろそろ打つの面倒臭い)の前方に人間サイドA→真ん中に元々人間だったゾンビたち→後方に人間サイドBという魔の配置のまま高速鉄道KTX(本名)はゴールのプサンに向けて動き出すことを余儀なくされてしまいます。

そして人間サイドAは何とかBのいる側に着くのですが、なんと人間サイドBの中心人物はあの、バス会社の中年男性(嫌な予感) めちゃくちゃ分かってたけど 「 お前らは感染しているかもしれない だからコッチには入ってくるな!」 って分かりやすく駄々こね始めるんですよね〜。

困った× 2 (^_^; まさしく老〇ここに極まれりって感じなんですど、人間サイドAにはバットを所持している高校球児や、筋肉に廃課金したムロツヨシみたいな人がいるので壁を壊すのは朝飯前なんですね〜(こっからが本番) 壁を破壊することに成功し、後方車両・Bサイドに合流することが出来たAサイド、しかしBサイド側の人間はAサイド側の人間を、まるでウイルスに感染してるかのような目で睨みつけます。。

その時の視線・顔の表情・集団で自分たちよりも少ない集団を見下すような視線が観ててめちゃくちゃ気持ち悪かった。。2回目の緊急事態宣言が発令されたこのタイミングで視聴すると余計ね〜、、心にくるものがありました。

 

この2つの場面を通して(映画全体からも)オレが強く感じたのは、まんまコレ日本社会のこと描いてるじゃん。ってことでした(^_^;)

直接ヘイトを向けることはしない(出来ない)のに、Twitterの卵アカウント(捨て垢)で誹謗中傷を浴びせるその" 視線 " 連日昼間のワイドショーで、芸能人カップルのクソほどどうでもいい不倫報道を永遠とディスカッションするタレント達。その集団心理の " 視線 " 

あげたらキリがないし、日本社会だけの負の側面じゃないと思うんですけど、先進国の中でもトップクラスに自殺率の多い日本と韓国、、、SNSは世界をボーダレスにし情報の民主化に一役を買った、と言われている一方で" 過度の民主化・多様性ムーブメント " は同時に大きな管理社会を生み出し、常に監視の目を生み出してしまう。というコラム記事を読んだことがあります。隣国というのもあって、パンピーの大学生から見ても、映画内での管理社会の在り方にすごく近いものを感じました。。是非本国に在住の方で、この映画を視聴した人と話し合ってみたい!この後味の悪さをシェアしたい!!

 

ここからは勝手な偏見なんですけど、これがアメリカの高速鉄道で起こったとしたら、間違いなくハンバーガーを片手に持ったミリオタ(戦闘機や軍モノを好む人)が列車と列車をぶつけたり、火炎放射器を持ったパンクなおじいちゃんがマンパワーでゾンビを焼き殺しにいったりetc... 確実にマッドマックスの外伝が始まってると思うんすよね...苦笑 

・・・

この複雑な心境のままの幕引きかと思いきや、韓国の映画というのもあって、昔インターネットのインタビューでちらっと見た 韓国在住のデザイナーさんの印象深い言葉が頭に浮かびました。99%is というパンキッシュで先進的なブランドのデザイナー・バジョウ氏が語っていた「 K POPアイドルだけではなく、私たち韓国の様々な面を知っていただきたい」という言葉です。

なんでこの言葉が巡りに巡って顔を出したのかは分かんないけど、当時(たしか高校生)の自分と、この映画を視聴後のオレとでは、その言葉に対する感じ方が全く違ったんですよね〜。。

 

そうなった途端、さっきまで尾を引いていたモヤモヤした気持ちが晴れて、ワッ!とフレッシュな気持ちが溢れてきました〜!!まじでオレって韓国のこと何も知らないんだなって!! 

韓国グルメが流行ってる一方で、Netflixの視聴ランキングに韓流ドラマがチャートインすると「 Netflixも韓国に魂を売ったのか 」 とTwitterで檄を飛ばすネット民。 BTSが今年のグラミー賞にノミネートされて、韓国の芸術面の底上げに貢献している一方で 慰安婦像問題を巡って未だに裁判が開かれているそのリアル。

断片的な情報しか知らなくて、あらゆる情報が体を通り抜けていく何のコアもない自分

だけど、逆に言えばまだ何にも染まってない、ニュートラルな立ち位置を築けてるってことでもあるし。。

いや〜マジで韓国のアレコレ勉強してきたいな〜と思える最高な映画でした!!

 

あれ。。でもオレって3年間韓国語履修(〇履修)してるようなしてないような〜。。。(^-^)

おあとがよろしいようで( 爆 ) お付き合いありがとうございました〜! E N D